僕たちは祈ることしかできない
はてなブログをやっていると、定期的に「量産型ブロガー」とか、「個性のないブログが増えた」といった心配事エントリーが目に入ります。それって何ですかという人のために説明をしますと、「ブログでお金が稼げる!」という側面が最近になって認知されて、儲かる文章の書き方やアクセスの伸ばし方、広告の出し方といったノウハウを書く、もしくはその情報を売る人たちが現れました。その情報を元にブロガー達はそのノウハウを真似て、同じような文体で同じようなレイアウトで文章を書き、「どうすれば情弱に広告を踏ませることができるか」という広告主と顧客との関係をまるで理解していない社会悪な行為を経てお金を稼いでいる方が「中には」いるわけです(ここで言う社会悪とは、記事中に何度も何度も広告を貼り、うっかり顧客にクリックさせようとする手法などを指します)。
結局のところ、皆気づいていないのです。文章の書き方はコレ、綺麗なテンプレートはコレ、儲かる広告の貼り方はコレ。そうやって選んできた結果、皆同じような様相を晒し、やがて埋もれていく。金持ちならロレックスをつけて、BMWに乗り、都内に一戸建てを持ち...みたいな奴と全く一緒で、個性が没落していく。
でもね、そんなことない人たちもいっぱいいますよ。昨日も「孤高の凡人」というブログを書いている方とお話をしていました。
@kokouno_bonjin 僕もSEOなんてほとんど意識したことないですよ…「文章を書くのがただ面白い」という動機だけでやってますから…アクセス数やお金はオマケです。孤高さんはどうですか?
— にゅーとん (@Knewtons) 2016年5月28日
@Knewtons
— 孤高の凡人 (@kokouno_bonjin) 2016年5月28日
私も同じです。自分が一番楽しんでいると思います。笑いながら書いています。私はロックンロールを演っていると思いながら文章を書いています。
たぶん孤高さんも僕と近いと思うんですよね。「ただただ文章を書くのが面白い」という好奇心によってのみ突き動かされている。人の命を助けたいという気持ちよりも「心臓を切るのが面白え」という好奇心で切って切って切りまくった結果心臓外科医の頂点になった人の話とか、ただ数字を上げていくのが面白いという年間数十億売り上げを出す営業マンの話を聞いた時に「お金を稼ごう」「人助けがしたい」「社会に貢献したい」みたいな理由からかけ離れていて、もっと根本的な自分の欲求を満たしてえという熱い気持ちが先行しているんだよね。
「知りたい」だけなんだよね、僕らは。自分から何が生み出せるのか。そういう意味では孤独だし、孤高なのかもね。僕は自分の中から湧き出した素敵なフレーズを捕まえて書き始めるうちにだいたい迷子になり、遭難し、悩み、時には森から出られないまま文章を綴り終える時がある。誰にもわからないのだ。それが最高に面白いのだ。
孤高さんはそんな時、祈るそうだ。わかる気がする。自分でも終着点がわからないのだから。でもそれを楽しみながら書いていると、時々良いものが書けたりする。僕たちは祈るしかないのだ。
一握の砂 - めぐりめぐる。
私の場合は文章が徐々に加速していきます。大体の800文字ぐらいでピークを迎え、あとは無事着陸する事をただ、祈っています。考えて書きたいのですが、私には祈る事しかできません。
2016/05/28 11:37