めぐりめぐる。

落語や漫才を見るのが好きです。エンタメ系の記事を中心に、幅広く書きたいことを綴るブログです。メールでのお問い合わせはこちら「infomeg2@gmail.com」。最近投資系の記事は「http://www.toshi-meguri.net」で書いています。

一過性の女たち

MCMぴえんが歩いていますね。そうひとりごちた時に、「お前が何を言っているのか全然わからないよ」と会社の先輩に困惑され、我に返る。知らないうちに俺は一般人とは全然違う世界線で生きているのではないかと思い、空を見上げて少し考えてみたが、もちろん答が降ってくるわけでも神が親切に教えてくれるわけでもなかった。俺は俺たらしめる要素について棚卸しをするしかなく、ただただ途方に暮れる日々である。

 

思えばMCMぴえんがセブンイレブンでヨーグルトを買い、酒に溺れる準備万全でホストクラブに向けて全力でタクシーに乗る姿を見て大笑いしたり、キラキラコンカフェ嬢が企画するバースデーイベントで次々に立つシャンパンタワーに感嘆、それに至るまでのオタクの死闘に想いを馳せたり、ボトルキープしたウイスキーがそろそろ流れちゃうから早くおいでよという色っぽくも何ともねえLINEを受け取ったりする日常に俺はすっかり慣れてしまっている。ただただ日々を面白おかしく生きてぇ、という一見高尚に見える精神は気づいたらすっかり俺の中で握りつぶされており、人類を滅ぼす巨人に心臓を捧げる覚悟で戦う戦士のように一過性の女に金と時間を捧げているのであった。

 

承認欲求で飯を食いたいというのは究極のユートピアであり、その情熱で店が立ち人が集まり経済が回っていく。俺はその仕組みに加担している加害者でもある。誕生日イベントで苦しむ女が続出し多数のメンヘラを産んでしまうのはビジネススキーム上仕方のないことではあるが、その仕組みに乗っかっても乗っからなくても不幸な人間を輩出する。前者は自分には需要がないと嘆く俺のような人間をリリースし、後者はより高度な承認欲求に向けて走り出す悪魔を召喚する。そしてその取り巻きはどうなるかと言えば、1000円のランチは高くて食えねえと思いながらカップ麺を啜る一方で、1時間の滞在で数千円から数万円を一瞬で使ってしまうのだから、我に帰った時のダメージも凄まじいようでTwitter上で悲鳴が続出しており、コミケにできるオタク雲よろしく悲哀と憎悪の感情が渦巻く。

 

こんな世界の片隅で生きるのは随分骨の折れることだから、水物の世界とは上手に付き合っていき、スマートにフェードアウトしていくのがよかろうとは思う。ただ、じゃあそれはいつなのと問われると俺もお前も困るのであり、今日もまた無数の感情が飛び交う地に行ってしまうんだよ。(ちょうど1000文字)

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