値引きは買い手に対して先手を打っているのだ、という話
会社で営業職をやっていて思うのは、「いかにお客さんに気持ち良く、お金を支払ってもらうか」を考え抜かないといけないということです。
商売って元帳を見せずに、相手が出せる最大の金額をいかに導き出して利益を上げるかが重要です。どんな業界のどの仕事でも基本的には同じですよね。
お客さんは自分の予算感なんて絶対口にしません(=できるだけ値切って得をしたい)から、いかにしてその情報を集めていくかが営業の腕の見せ所なわけです。そして僕はそれがとても苦手です。
「これが御社にご提案するシステムなんですが、予算ってどれぐらいをみてますか?」
「うーん、まだ未定なんだけど、300万円はちょっと高いねえ・・・。」
「ああーなるほど、そうですよねえ。じゃあ軽自動車買うぐらいの予算ですか」
「まあなんとも言えないけど、それぐらいしか確保できないかもね」
「それぐらいの予算だと、こんな製品もいいかもしれないですよ」
「ああこういうのもあるのね、でも導入費用もかかって結局お高くつくんでしょ?」
「それがですね、そこまで入っていてうまくやれば二桁万円に収まるかもしれません」
「え、そうなの?それだったらちょっと説明聞かせてよ」
なんてやり取りを脇汗をびっしょりかきながらやっているんですよ(笑)文章で書くと随分とあっさりした感じですが、相手の顔色や声の調子なんかを聞きながら判断をしています。なかなか大変です。
そしてタイトルの話に戻りますが、「値引き」ですね。例えば100万円のものを「100万円です、とっても安いでしょ!」って出すと、買い叩かれることが多いんです。
100万円のものを、製品価格120万円と書いて20万円引いてありますという演出をすることで、お客さんが「得をした」と思うことが重要なんですね。
人は「損をしたくない」という心理が働くので、単純に商品の値段だけ見せても購入の動機にならないケースがあります。だから僕らはあえてそういう「企業努力として安くしていますよ、頑張っていますよ」と相手に印象づける工夫をしているのです。
さらにここに加えて営業トークで、「業界的にはこれぐらいの金額なんだけどね・・・お客さんにだけは特別で何某」みたいなことを付け加えるんですよ。
そういえば昨日ブログでマッサージ屋さんの話をしましたが、そのお店WEBで予約するといつも15~20%なんですよね。7000円台のサービスが、20%OFFで5000円代で受けられるという演出をしているのです。たぶん元帳は5000円代なんでしょうけど、気分は良いですよね。商売っていうのはこういうもんだよなっていつも思います。
みんな心配なわけです。自分が損をするのが。だから情報をたくさん提供します。営業のお仕事というのは、「いかにお客さんの心配事を取り除くか」に尽きると僕は思いますね。
かっこいいことを言ってますが、僕会社で全然売り上げをあげられていません。こういう営業の振り返りをブログにたくさん書いて反省し、成長していきたいなと思います。