めぐりめぐる。

落語や漫才を見るのが好きです。エンタメ系の記事を中心に、幅広く書きたいことを綴るブログです。メールでのお問い合わせはこちら「infomeg2@gmail.com」。最近投資系の記事は「http://www.toshi-meguri.net」で書いています。

【アニメ】「ポピーザぱフォーマー」子供の頃笑ってたけど今みるとキツイ

ポピーザぱフォーマーというアニメをご存知でしょうか。キッズステーションで放映されていて、時々PRムービーも放映されていたので、WOWOW契約してる人なんかは見たことあるよって人もいるんじゃないかな。

www.kids-station.com

 

キッズステーションで放映されていたのだからさぞ子供に優しい、ハートフルなアニメなんでしょうと思うでしょ?爆殺、刺殺、轢殺、溺殺、斬殺、毒殺、銃殺、暴力、出血、死といった子供にはあまりにも刺激が強すぎる要素満載のアニメで、放映時には「見てはいけないものを見ているんだ僕は...」という感覚で、怖いもの見たさでよく見ていたのを覚えています。

 

結構笑いながら当時見ていた記憶があるんですが、今改めて見返すと何でこれで大笑いしてたのか自分の感性を疑ってしまいます(笑)。 動画にコメントをつけている人がいるので覗いてみると、結構自分と同じような人がいて、なんだか親近感湧きました。5分という短い時間の間に起承転結がしっかりあって、結構オチもしっかりあって面白いんですが、救いようのない話や、ただただ残酷な話も多く、とても万人にはオススメできないこともあって、身近な友人と共有できないタイプの映像ですね。

 

非常に残酷な内容が多いんだけど、独特の世界観と、コメディ要素で、よくわかんないけど笑ってしまう。原作者の増田龍治のコメントがすごい。「大人げない作品を作りたかった」。キッズステーションで放送するにはあまりにも過激な内容もあり、一部の回は放送禁止になっているため、DVDでしか見ることができません。でも、これキッズステーションで放送ができている通り、R指定ないんですよね。同じ頃にインターネットで話題になっていたアメリカのフラッシュムービーでHappy Tree Friendsっていうこれまた残酷なアニメがあるんですが、これはR15。ポピーザぱフォーマーはあくまで「子供向け」として作られているとのことで、もう渾身のギャグとしか思えない。

Happy Tree Friends - Wikipedia

 

まあでも、結構教訓的な話もあったりするし、Happy Tree Friendsよりはシュールでコメディチックな内容なので、割と見れます。興味のある方は、是非どうぞ。ちなみに増田龍治作品は「ポピーザぱフォーマー」もオススメですが、その後の作品の「ガラクタ通りのステイン」も面白いです。彼の作品は何かと賞を受賞しているので、この手の作品に興味があれば是非その世界観に飛び込んでみてください。

 

ガラス通りのステイン

Ryuji Masuda -増田龍治公式ホームページ-THEFOOL Inc.

(バンダイチャンネルにて全話放送中)

【IPPONグランプリ2016】Bグループ感想

IPPONグランプリ、Bグループの出場者は「若林正恭、秋山竜次、今野浩喜、塙宜之、千原ジュニア」でした。塙と今野は初登場ということで注目株。日テレの深夜枠で放送されている「有吉の壁」にて、大喜利が得意ではないことを明かしていましたが、決勝まで残ることができるか楽しみな一戦でした。今野は俳優業を最近頑張っていますが、「元々お笑いで頑張ってたし、思いっきり自分の芸人としての存在感を見せたい」という意気込みを持ってやってきているはずなので、どんな感じになるかとても興味深かった。若林の毒舌、秋山の破天荒回答、塙の苦し紛れの一言、オールマイティにこなす千原ジュニア、俳優業で培った経験をどうお笑いに生かすか注目の今野という感じの面子でした。

 

「Bブロック第1問」

大御所たちを注意してください

このお題はなんだか芸人達のリアルを見ているようで、笑えました。一見視聴者を置いていきそうな内容だったのですが、「何かわかる、きっと舞台裏ではそんな感じなんだろう」と共感を得られてしまうような回答が多くて良かったですね。特に、今野と若林のキレがすごくてヒヤヒヤする場面もあった。チェアマンのまっちゃんが、「誰のことを言ってんねん!」と思わず突っ込んでいたのが最高だった。秋山と千原ジュニアの回答に関しては、もはや「あの大御所のことだろ」とわかってしまうような内容が出てきていたので、より一層客席を沸かしていた印象。全体的に見て、自分の芸人人生を短くしかねない回答を出した上で、身を切ったはずなのに一本を取れなかった時の「どうしようもねえな」感が出た時の哀愁がたまらなかった。そんな第1問。

 

若林「叙々苑弁当を残すなよ!」

若林「隠居(ハウス)!」

塙「ダンカンバカヤローじゃねえよバカヤロー!」

秋山「また葉山にいる」

 

「Bブロック第3問」

塀に「この穴のぞくとがっかりします」の張り紙 何が見える?

時事ネタ(歌丸師匠)をぶっこんだ塙、自分のお笑いのネタを最大限利用する今野、ゆるキャラをいじる千原ジュニア、毎回一言で終わらない秋山、日常あるあるをしっかり押さえた回答を出していく若林といった感じでした。

 

若林「※ここから先は有料コンテンツになります」

千原ジュニア「マジックミラー号の正面」

 

「Bブロック第4問」

始めてドラゴンを退治しに行くのですが、アドバイスをお願いします

ファンタジーなネタではあるけれど、どれだけ視聴者の日常に近づけて回答ができるかがポイントになりました。遊園地ネタ、TVネタ、学生ネタ、古典の引用など、バリエーションに富んだ回答の連続で面白かったです。

 

若林「着いたらまずファストパスをとったほうがいいよ」

若林「この時期は混むからやめておいたほうがいいよ」

塙「ではまずその屏風からドラゴンを出してみよ」

塙「思ってるより小さいから虫かごが必要だよ」

千原ジュニア「いや、昨日林んとこのおかんが倒したんやて」

千原ジュニア「倒した後の囲み取材が大変やねん」

今野「お前大学どうするんだよ!」

【IPPONグランプリ2016】Aグループ感想

IPPONグランプリ、今回も面白かったですね。まずはAグループ予選の感想から書いていきたいと思います。Aグループの面子は、「バカリズム、伊達みきお、堀内健、博多大吉、川島明」でした。個人的にはIPPONグランプリ初参加のサンドウィッチマンの伊達ちゃんがどんな大喜利をしてくれるのか楽しみでした。また川島も伊達ちゃんと同じく初参加でしたが、有吉の壁でも上手に大喜利をしていたので十分に優勝を狙える実力があるんだろうなという印象。

 

始まってみると、川島は少しボードを見せるまでの前置きが長いものの、かなり面白い回答で点数を掻っ攫っていく。そして伊達ちゃんのハートフル回答。謎の体言止めで不思議と笑いを誘う回答で点数を重ねる。皆、それぞれ点数が取れなくて足掻く中で、なぜか伊達ちゃんだけは一切ぶれずに、マイペースで回答をしていくのがかっこよくて、会場の笑いを誘っていた。賢い大吉さんが体現止めを踏襲しながら、様々なアプローチで点数を取ろうと奔走する。ホリケンはいつもどおり、どうやって回答をひねり出しているのかわからないけど、予想外の着地点の回答を連発して爆笑を誘う。ホリケンは今回勢いだけではなくて、回答に575のリズムを入れてみたり、前置きを長くしてみたり、時事ネタを入れてみたりとかなり進化してた。

 

マイペースな伊達ちゃんと、技巧派の博多大吉、お題ごとに自分の持ち味を出そうとする川島、上手な絵と少し視点をずらした笑いを作り上げるバカリズム、瞬発力のホリケンとった感じの構成で、バランスがよかったと思う。また、IPPONグランプリの特徴として、かなり回答の「言い方、勢い」が大きく影響するんだけど、前置きを膨らませて膨らませて最後にボートを見せて笑わせるというスタイルが今回目立った中で、伊達ちゃんのゆるい、ふわふわした回答が際立ってとても面白かった。

 

それでは今回の各お題のお気に入り回答をご紹介。

 

「Aブロック第1問」

おバカヒーロー「オペペペン」〇〇すると変身 その変身方法とは?

博多大吉「双眼鏡で太陽を直接見る」

 

「Aブロック第2問」

このかるたの読み札を教えてください(ダンボールに入った熊さんのかるた)

伊達みきお「遊ぼうよ。又、ここに戻してもいいからさ」

 

「Aブロック第4問」

芸能記者が「500円だな」と判断したネタを教えてください

博多大吉「キングコング西野の言動は一律500円」

バカリズム「misono 充電宣言」

 

「Aブロック第5問」

完全に名前のせいで売れていない女性アイドルのグループ名とは?

博多大吉「KA・TA・TE・MA」

【公衆電話】時代のバックグラウンドを共有できないお笑い

家の近くに古臭い公衆電話がありましてね、5分くらい眺めていたら昔好きな子の家にこれを使って電話をかけていたことを思い出したんですよ。懐かしいなあと。10円玉を大量に積み上げて。なけなしのテレフォンカードなんて使って。「テレフォンカード」だって。昔は限定テレフォンカードなんてあったよね、アイドルが印刷されてる限定のやつ。もったいなくて使えなくて未使用で保管しておくんだ。で、話が脱線したので戻すと、こういうある種の昔の電話事情に関するバックグラウンドって、今じゃ若い人たちに伝わらない可能性があるよね。絶対公衆電話なんてみんな使わないでしょ。ていうか思考停止してるやつだったら公衆電話を見ても「あれはなんだ?」なんて疑問を持たない奴も一定数いるでしょ。実際いましたからね、携帯電話が充電切れになった時に公衆電話を使うことを提案したら「公衆電話ってナニ?」っ言い放った人を僕は知ってますよ。

 

まあでもこれは仕方がないことで、今携帯電話に慣れていてひょっとすると家に固定電話がないなんて家庭もあるじゃないですか。僕の今住んでいるところもそうです。固定電話なんて置く必要がないし、お金がかかるし。で、問題だなというか困ったなあと思うのは、こうした歴史を共有できない人がどんどん増えてくるんだということです。僕は最近歩いてる時にお笑いの台本を作るためにネタを探したり頭の中で妄想することを楽しんでいるんですが、例えば公衆電話を使った漫才なんか作ってもたぶん一定年齢以上にしかウケないんですよ。

 

「もしもし、優子さんいますか?」

「あたしは優子じゃないよ」

「いやいやそういうことじゃなくて...優子さんに代わって欲しいんですよ」

「なんで代わって欲しいの?私にわかるように説明して」

「...お母様ですかね?すみません今それどころじゃないんですよ。今こうやって話をしている間にも10円玉がチャリチャリ消えていくんですよ、お願いしますよ」

「あんたうちの娘と話すのに10円玉なんか使ってんのかい?けち臭いねえ。男なら100円玉いれなさいよ」

「いやいや100円玉いれてたら使った分返ってこないじゃないですか!」

「だからそれがケチ臭いってんだよ。そんな男には娘はやらないよ!」

「結婚を申し込んでるわけじゃないですよ!だいいち僕優子さんとはお付き合いする仲じゃないですから!」

「じゃあなんでかけてきてるんだい?怪しいねえ...。だいいち今何時だと思ってんだい?夜の9時だよ?可愛い娘はもうお眠の時間だよ」

「あんたの娘はもう22だろ!」

「だいたいあんたのお母さんは躾をしなかったのかねえ...。友達のお家に電話する時は夕飯時と夜の10時以降はかけちゃダメって言われなかったかい?」

「今まだ9時じゃないですか」

「今夕飯食ってんだよ!」

「遅いよ!もっと早く優子に食べさせてあげてよ!」

「あんた今優子って呼び捨てにしたね、やっぱり深い関係なんじゃないの?説明しなさいよ!」

「お母さん...もう小銭がないんですよ。ああまた10円落ちた。もうあとテレフォンカードしかない」

「テレフォンカード使えばいいじゃないか」

「広末涼子の限定テレフォンカードなんで使いたくないです」

「広末涼子とあたしの娘、どっちが大事なんだい」

「すごい二択!」

「さあ早く決めな!」

「えーと...じゃあテレフォンカード入れますよ...そういうことなら」

「よし、よく言ったね。じゃあお父さんに代わるね」

「優子に代わってくださいよ!!!」

 

みたいな漫才やっても何がなんだかわからないんでしょう?世知辛いなあ。

【ネタを考えるのと合わせて20分で書いた】

【R-1グランプリ2016】マツモトクラブの敗因について考えただけ

R-1グランプリで敗者復活戦1位突破を果たしたマツモトクラブなんですが、いまいち評価が高くなくて残念な結果に終わりましたね。ネタの披露後に板尾から痛いダメだしまで食らってちょっと可哀想でした。マツモトクラブのネタって基本的にいつもあんな感じなので、何も大会でわざわざ言わんでもええがなって感じでしたね。この手の大会で低評価をもらってしまい、かつ審査員から文句をつけられると「こいつはつまらないやつなんだな」とテレビの前のあまり普段お笑いを見ない人に思われてしまうのでやらないほうが良いと思うんですが、いかがでしょうか。

 

まあそんな話は置いといて、今回の彼の「まさお」ネタの話をしましょうか。個人的には結構好きなんですけどね。身体の動きと勢いで笑わせてくるネタよりは何倍も面白かった。ただ若干のマンネリ感というか、中盤から後半に差し掛かるまでの所謂「くすぐり」というやつが弱かったですよね。「父さん」「まさお」の掛け合いはたぶん3回目ぐらいがピークで、その後はシチュエーションを変えて頑張ってましたけど、厳しかったですね。「父さん」「マグロ」ぐらいだったし。父さんまぐろ戦法でいくなら、もっといい間違いや同音異義語を使って激しくやったほうがよかった気がします。「倒産」とか。ただそれでいくならもっと違う名前使った方がよかったか...。

 

あとオチがやっぱり弱かったですね。この間もちょっと書きましたけど、ネタの構成力で勝負するならやっぱりオチが大事ですよ。オチ前20秒前にはどんなオチがくるかわかっちゃいましたよね。しかもそれがあんまり面白くないので、尻すぼみ感が強くなってしまって。難しいね。落語だと話を演じる役者が別であっても内容とオチが一緒で、最後に何がくるかわかっても面白いと感じる部分もあるんだけど...。笑い話を聞くというよりも「噺」を聴くというスタイルで客が臨むからなのか。お笑いって難しいわ。

 

【所要時間5分】