めぐりめぐる。

落語や漫才を見るのが好きです。エンタメ系の記事を中心に、幅広く書きたいことを綴るブログです。メールでのお問い合わせはこちら「infomeg2@gmail.com」。最近投資系の記事は「http://www.toshi-meguri.net」で書いています。

戦国時代から考える人事異動、という話

これを読みました。

www.ikedahayato.com

 

この問題、非常に難しいなあと思いました。記事の内容では、「人事担当者は人事異動を個人のキャリアプランを考慮して適切に行うべき」ということが書いてあります。でもこれ、なかなかできないですよね。

 

個人のキャリアや家庭の事情を考慮して人事をしていたら、適材適所でベストな事業にベストなタイミングで人を配置するなんてできないのではないでしょうか。
イケハヤさんは「そんな組織に所属するのは辞めて、自由になろうよ」と宣いますけど、たぶんそれを実現しようとすると非常にビジネスがこじんまりしたものになるでしょうね。

 

少ない人数で仕事がまわるような小規模なビジネスなら良いですが、数億円単位のお金を動かしてビジネスを行うようになれば、たくさんの人を投入し、それぞれの人間が最大限活躍できるように人を配置することも考えなくてはいけません。田舎に引きこもっていてもビジネスになる商売もあるのでしょうが、現実問題としては多くないでしょう(多くのビジネスが日本のあちらこちらに拠点を作って商売してますよね)。でも、実際に人とあって話をして盛り上がって新たな仕事が生み出したり、よりたくさんのお金や人を集めてビジネスを育てようと思うときっと同じ壁にぶつかると思います。待遇を良くして極力転勤先で気持よく仕事が出来るように企業が支援をするのは、適切な場所に適切な人間を置いてビジネスを効率よく大きくしたいからです。それができず、個人が個人の要求を全面に出して働くのでは上手くいくものも失敗の道を辿るでしょう。

 

僕は人事異動は個人の意向を無視すればいいという話をしているわけではありません。ビジネスを大きくするためには必要な犠牲は必ず出るという話がしたいだけです。経営者からのトップダウンの命令を忠実に聞き入れ、それを実現するための旗振り役とその手下がどうしても必要です。組織に所属するというのはそういった「波」に少なからず飲まれるものだと思っています。それは好むと好まざるとに関わらず、必ずぶつかる問題です。

 

話が喩え話でちょっと逸れちゃうんですけど、僕「信長の野望」というゲームが大好きで。一言で言うと戦略シミュレーションゲームで、いかに敵の城を上手に奪って自分の領土を増やし、早く全国統一するかというゲームです。

 

このゲーム、最近はないんですけど「転封」という概念があって。簡単に言うと領地替えですね。武将の所領を別の場所に移すこと。織田信長が尾張だけを統治してるだけならいいんですけど、領土が大きくなるにつれて指揮系統を分けるための「軍団」を作っていき、政治や戦争をお任せしていないと一人ではとても手が回らなくなってきます。その時に、どうしても軍団を率いる武将には転勤をお願いして遠い場所で働いてもらわないといけないわけです。

 

能力が高い武将に軍団を任せないとアホなことばっかりしますから、優秀な人材を配置します。でも当時の武将って、京都(要は都)から離れていくのを嫌うわけです。伊達政宗をボコりにいくために北陸に異動させられると、武将の不満がぐっと貯まるわけです。その時に、手厚く褒美を与えて忠誠を高く保つための工夫をするんですね。

 

まあ昔に限った話じゃないですが、上からの命令は絶対なわけです。信長の命令を無視して「俺はここから動きたくない!」という人間がいたら切られました。とにかく、命令に忠実な部下がいないと仕事がしづらいんですよ。優秀な人材が「あれは嫌だこれは嫌だ」と言っていたら、領土拡大や全国統一のスピードがどんどん減少していきます。

 

結局僕が何が言いたいかって言うと、「組織に所属するなら命令は潔く受ける」べきで、そこから抜け出すならこじんまりとしたビジネスで個人で稼ぐしかないってことですね。