めぐりめぐる。

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【はじめての落語】桂歌丸「つる」を聴こう、という話

桂歌丸師匠と言えば、立川談志が作った「笑点」ですっかりお馴染みだと思います。そんな馴染み深い方の落語であれば、一席くらい聴けそうだなと感じてくれる人も多いかなと思い、タイトルのようなチョイスになりました。昨日リクさん(id:r1ckey)のツイキャスを聴いていて「いろんな人が落語を好きになってくれる記事が書けるといいよね」というお話があったので、その先駆けとして僕が挑戦したいと思います。広がれ落語好きの輪。

rickey.hatenablog.com

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桂歌丸師匠は「笑点」でご自身が「俺は大喜利がとても得意だよ」と豪語されていらっしゃいましたが、本当は落語が本業で(当たり前だ)。特に今回扱う落語「つる」というお話では、江戸落語であれば歌丸と言われるほど有名なんですよ。ちなみに落語には2種類あって、今回の記事では軽くしか触れませんが(本格的に触れると本が出版できてしまいます)、江戸落語という江戸(つまり今の東京)で生まれた落語と、上方落語と呼ばれる大阪・京都を中心とする落語があります。今回紹介するのは江戸落語の「つる」だということを少し頭の片隅においていただければ結構だと思います。

 

さて、今回の「つる」というお話ですが、以前も僕のブログでご紹介した「時そば」という落語と同じく、ある人の振る舞いや言葉を聞いてひどく感心し、自分も真似てみるが失敗するという「間抜け落ち」という物語の構成になっています。落語には必ず「オチ」がありますが、そのオチの中でも比較的理解しやすく面白いのがこのパターンです。落語の世界でもたくさん出てきます。

 

落語「つる」のあらすじ

暇つぶしに隠居の所に八五郎という男がやってくる。隠居(落語の中では、この隠居さんというのが大抵物知りです)と話をする八五郎が、ある時ふっと隠居さんの家に飾ってある「鶴の掛け軸」が目に入る。話を聞いてみると「鶴は昔は首長鳥と呼ばれていた」ということを隠居から話を聞き、理由を聞くとこんな話だった。

 

昔唐土の国から鶴の雄が「つー」と飛んできて、鶴の雌が「るー」と飛んできたから鶴だ。

 

八五郎、この話を聞いて「なるほど面白い、隠居さん物知りですねえ!」と言い、この話を他の人に披露してやろうと考える。人から聞いた話をすぐに偉そうに知り合いに喋りたくなるというのが何とも滑稽で面白い。八五郎が他の知り合いの家に訪問し、同じ話を披露しようとする。

 

昔唐土の国から鶴の雄が「つるー」と飛んできて、鶴の雌が「...。」

 

黙りこくってしまい、失敗する。悔しく思った八五郎はもう一度隠居さんの所に話を聞きにいき、もう一度チャレンジする。

 

昔唐土の国から鶴の雄が「つるー」と飛んできて、鶴の雌が「...。」

 

「おい、鶴の雌はどうしたんだ?」「ええ、黙って飛んできました」

 

というお話。ちなみにこのお話は、八五郎が「つるの名前の由来について、隠居の話を信じこむパターン」と、「嘘だとわかっていて、他人に話を披露するパターン」があります。見て分かる通りこれだけでも話のテイストが随分変わるので、いろんな落語家さんの「つる」を聴いてみると面白いと思います。今回ご紹介する歌丸師匠の落語は、おそらく前者になると思います。

 

10分少々のお話なので、是非一度聴いてみてくださいね。

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