めぐりめぐる。

落語や漫才を見るのが好きです。エンタメ系の記事を中心に、幅広く書きたいことを綴るブログです。メールでのお問い合わせはこちら「infomeg2@gmail.com」。最近投資系の記事は「http://www.toshi-meguri.net」で書いています。

「いつも綺麗にお使い頂きありがとうございます」が癪に障る、という話

最近コンビニのトイレを利用すると、頻繁に「いつも綺麗にお使い頂きありがとうございます」と書かれた張り紙を見る。この言い回しにはすごく違和感を覚えるし、人によってはカチンとくるのではないか?というお話。

 

まだトイレを利用する前の客に対してこの言葉をぶつけるということは、「みんな綺麗に使っていますからお前も綺麗に使いなさいね」という暗黙の命令が含まれており、下手をすれば直接的に「汚さないでください」と言うよりも角が立つメッセージだと思う。

 

日本人独特の「みんなきちんとしているんだからあなたもしっかりしなさい」という集団の中の規律を重んじる文化なのかもしれないけれど、ここまで遠回しに表現されると、もはや嫌味にしか見えない。「綺麗にお使いください」「汚さないように一歩前へお進みください」といった直接的なフレーズの方がよっぽど受け入れられると思う。

 

こういった話を以前知り合いにぶつけてみたところ、もちろん本人も深く考えての回答ではなかったと思うが...「日本人の奥ゆかしさなんじゃないの?」という答えだった。でも奥ゆかしさというのは「深い心遣い」があってのものだし、はたしてこの遠回しでややきつ目に感じられる言の葉は日本人ならではの表現なのかと考えてみると些か疑問ではある。

 

この辺りの「察しなさいね」という文化でもう一つ思い出すのは、喫茶店で長居してしまった時の出来事だ。友人と2人で3時間ほど雑談をしていたところ、喫茶店もお昼に差し掛かって混み合ってきた。そうするとウェイターから、「どうぞ」と新しい水の入ったコップを1つ渡された。

 

これは「混んできたから帰ってくれ」というメッセージだったみたいなんだけど、当時僕はそういった礼儀をよく知らなかったので、そのまま長居していたところ、ウェイターがもう一度やってきて「あの...そろそろ...よろしいですか?」と申し訳なさそうにやって来た。まあそういうことなら最初からそう言えば良かったじゃないのと僕は思うんだけど、何というかそういう文化の中に自分たちは存在するんだなと再認識した。

 

ウェイターの件で邪推してしまうのは、「帰ってください」と言い難い店側の都合でそういった作法を押し付けているんじゃないかということだ。「混み合ってきましたので、当店では追加の注文がなければお帰り頂いております」といった説明をするのが面倒なので、そこに甘んじているのではないか...と考えてしまう。

 

もう少し直接的な言い回しで世の中が回ってくれればいいのにな、と思ったお話でした。

 

おまけ

愛知県の名古屋にはこんなユニークなトイレの張り紙がある。実にユーモラスで良い。

 

f:id:knewton:20151124112216j:plain