めぐりめぐる。

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コース料理が怖い、という話

タイトルを見て落語の「饅頭こわい」みたいな話かなと思った方はユーモアのセンスがあると思いますが、今日はちょっと楽しい話ではございません。まあ何というか僕がこれから先、一生抱えていくであろう個人的な病気のお話です。個人的でない病気があるのかと言われれば心当たりはありませんが・・・すみません話を戻します。

 

僕は社会人1年目で突然「人と外食をする」ということに非常に高い心理的ハードルを感じるようになってしまいました。きっかけはよく覚えていません。居酒屋で少し気分が悪くなってトイレで嘔吐してしまったとか、仕事の取引先の方と食事をしている時に目眩がして倒れそうになり、料理を中断して店を出る騒ぎを起こしてしまったとか、後から思い出せばいろいろと心当たりはあります。これがきっかけというよりも、生きていく中で積み重なっていくものがあり、ある日コップの水が溢れるように病気が表面化したのかもしれません。

 

とにかく、僕は社会人1年目、22歳の時からずっと人と外で食事をすることが怖くなってしまいました。まず、食事をする中で自分が「吐いてしまうのではないか」という恐怖感といつも戦うことになります。物凄く空腹だったり、普段慣れ親しんでいる方々と食事をする時はまだ良いのですが、あまり慣れない人達と慣れない場所で、慣れない会話をしながら慣れない食事を取るなんてことになった時には地獄です。口の中に何も入っていかなくなり、緊張で脇から汗が吹き出し、どのようにしてこの場を収めるかということで頭が一杯になってしまいます。

 

仕事で営業職をやっていると、取引先の方と食事をする機会というのは少なからずあるので、かなり辛いです。仕方がないので朝は毎食必ず抜き、お昼の時間には必ず空腹になるようにいつも調整をしているのですが、それでも緊張をしたりすると空腹がどこかに行ってしまうので、どうにもならない時というのはあります。

 

食が細いという印象はあまりプラスに働くことはなく、むしろマイナスに働くことが多いです。細身で少食の人と、体型ががっしりしていてたくさん食べる人のどちらに安心を感じるかというのは言うまでもありません。僕は細身で疲れを感じるとすぐに痩せてしまう体型なので何とかしたいとは思うのですが、太っている人が簡単に痩せられないのと同様に、痩せている人が急に太ることもまた困難です。

 

普段人よりもたくさん食べていると思うのですが、燃費が悪いのか緊張すると猛烈にカロリーを消費するのか、食事をする前よりも食事をした後のほうが体重が減っているなんてこともあり、悩ましい問題です。

 

またタイトルにも書きましたが、コース料理がとても怖いです。どれだけの量が出てくるのか非常に想像がしにくいですから。自分の腹具合を計算して、一切手をつけずにウェイターに料理を返すなんてことを行ったりします。これがとても辛く、悲しいです。「嫌いなものがあって」「お腹がちょっと一杯で」「朝の食事が遅くて」「実は少食で」「デザートにお腹をとっておきます」なんて嘘の言い訳をたくさん並べるのは、もはや滑稽ですよ。

 

正式に医者から診断されたことはないですが、「心因性嘔吐症」とか、「強迫性障害」とかいろいろな言葉で定義されている病気があり、僕と同じような症状で悩んでいる人達がたくさんいることを最近知りました。

 

何というか、悩んでいるのは自分だけじゃないということがわかるだけで随分と楽になりましたね。インターネットがあって本当に良かった。

 

僕が今日お話したようなことを相談すると、「気にしすぎ」とか「病弱体質なんだね」みたいな言葉で片付けられることって本当に多いんですよ。悲しいことですが。しかし医療の進歩により、この「気にしすぎ」なんて言葉で片付けるのではなく、きちんとした病名がつけられております。人は現象に名前をつけることで初めてその対象を認識できます。逆に知らなければその対象や現象を認識することはできません。

 

「知らない」ということの重さについて考え、病気に対して「理解しようとする」という姿勢を持つことは大切です。苦しんでいる人がいたら是非、自分の知っていることだけで片付けてしまうのではなく、耳を傾け寄り添うという姿勢で接して欲しいと思います。

 

というわけで僕と食事をしてくれる皆様、コース料理だけは勘弁してください。お願いします。