単純接触効果と美容師
ビジネスマンで職務が営業担当だったりするとよく聞くかもしれない「単純接触効果」って言葉ご存知でしょうか。簡単に言うと「人は会う回数が増えるほど人に対して好感を抱く傾向にある」性質のことを示します。もちろん例外はあるんだけど、同じ学校、職場、サークルの中に存在する同コミュニティの異性に好感を持ちやすいのもこの性質が大きいのだと思います。
最近びっくりしたことがあって。毎月1回僕は髪を切りに美容院に行くんだけど、そこで1年ぐらい同じ美容師さんに仕事をお願いしてて、カットの途中や帰り際にきちんと鏡を持ってきて、「いかがですか?」と丁寧に聞いてくれるんだけど、そこで僕は「信用してるし、任せてるから毎回鏡を見せてくれなくてもいいんだよ」と美容師さんに言葉をかけた。その僕が発した言葉自体に、僕自身が驚いたと言うか。「ああ、たかだか月に1回、年間数十回程度しか会わない人に対して、僕はここまで心を許しているんだな」と感心した。
これがたぶん、現実的にはありえないんだけど、髪をカットする頻度が年に1回で10年間通い続けていたとしてもこんな関係にはなり得ないだろうなと思ったし、定期的にかつ、なるべく短い期間で顔をあわせることで物凄い効果を発揮するに違いないと感じた。
仕事で営業に置き換えるなら、ちょっとした隙間時間でも客先に訪問し、顔を出すことで単純接触効果を狙えるだろうし、その際の短い時間の中で毎回濃い情報提供や、人間として信頼できると思わせるような行動、態度、言動ができたとしたら、その先の営業活動が非常に楽になるのだろうなと思った。
こうしたビジネス上の心理テクニックというのはもうありとあらゆる本で語られていて、いまさら記事にして書くような内容ではないのだけれども、自分の中で腑に落ちたというか、「ああ、こうして人は少しずつ心を開き、信頼し、物やサービスを人から買うのかもしれない」と納得がいき、今後の自らの行動にプラスできそうな発見があった。
この「腑に落ちる」という体験はとても大事だと僕は思っていて、結局他人から学べることというのは実はわずかであり、そのわずかばかりのおこぼれを「自分の立場で置き換えることができるか」その1点が重要だと思う。こうした経験は非常に脳汁がドバドバ出て、ハイテンションで頭が回転するので、もっと機会を増やしていきたい。もっと頭を使って考えていきたい。
追記
単純接触効果や営業について効率よく学べる本を最近知ったので、気になる方はこちらからどうぞ。