祈り
なぜ皆一様に祈るのだろう、と僕は思っていた。祈ったところで誰かが助けてくれるわけでもないし、何かに免疫がつくわけでもなかろうにと。そういったことは時間と金銭と心に余裕のある人間がやるもんだと思っていた。
ただ、最近その考えが変わってきた。インターネット上にはとても書けないような事がたくさん僕の周りで起き、どうすることもできない状況が続いている。そんな中で僕ができることと言えば、ただ状況がよくなることを祈ることだけだった。
どんなに一生懸命やっているつもりでも、予想もしないことは起きるわけで。人事を尽くして天命を待っていると、とんでもないものが降りかかってくることもある。そういうことを嫌というほど理解した。
今と、未来の自分、周りの人間の健康や成長を祈る。その重みが何となく、わかってきた。最後はもう、祈るしかないのだ。何かにすがり、祈ることしかできない。人一人ができることは悲しいぐらい限られていて、それを埋めるために我々は祈るのだ。