【記事執筆依頼】人にお願いをする時は、相手のメリットをきちんと書くべき【無料でやりません】
なんていうかブログを1年以上もやってると、時々記事の執筆依頼なんかがくる。すごく嬉しい。ただね...くるんだけど、依頼主の執筆依頼の仕方がクソのパターンが多い。たぶんこれは僕が弱小ブロガーだから舐められているという可能性も大いにあるけど、あまりにもビジネス上良くない依頼が多くきますので、「これはダメだよ」という例と「どうすべきか」について話をしたいと思う。
僕も積み上がるクソの山を見て、ため息ばかりついてはおれんのです。これはたまたま僕が被害者であってそう感じるという話で、普段の生活や仕事において、このパターンに陥っている瞬間があるんじゃないか...そう自省してしまうのです。というわけで最近あった依頼がこちら。メールで突然やってきた。
めぐりめぐる。
knewton 様初めてご連絡させていただきます。株式会社○○の○○と申します。
以前めぐりめぐる。 にて取り上げられていた「お笑いチャンネル」に関する記事を見てご連絡差し上げました。
http://www.meg2.net/entry/2015/12/13/200000関連の記事ネタをご紹介いたしますので、下記ご一読いただき記事執筆をご検討いただけますと幸いです。
○○と○○が関西の主要放送局と連携したネット配信サービス○○」の提供を開始します。
関西在住者しか見ることができなかった「大阪」の人気コンテンツをネット配信で楽しむことができ、見逃し配信にも対応、番組ファンも必見のサービスになっています。また初のネット配信となる「○○」や、あの「○○」が独占ネット配信される等、「○○」でしか楽しめないコンテンツが多数用意される予定です。以下に特徴をまとめます。※詳細はリリースを参照ください。
(1)関西主要放送局(○○)と連携
(2)配信初提供+独占配信コンテンツあり
配信初提供:○○
劇場公演独占提供:○○
(3)サービス開始時(○○)には約1,000本のコンテンツを配信予定
(4)月額480円の定額制見放題、○○はテレビでも閲覧可能な別プランあり
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●記事タイトル案:
僭越ながら弊社でもタイトル案を考えてみましたので参考になれば幸いです。
・○○×○○が関西キー局とタッグを組んだ配信サービス「○○」がスタート
・ついに○○の公演がネット配信!お笑いを詰め込んた「○○」に期待が高まる
・○○に朗報!関西以外でも、関西の人気番組が見れる配信サービスがスタート!
・○○ファン必見、これまでの放送が一挙に見れるネット配信サービスが始まる!●素材一式(リリース・画像素材・昨日開催された説明会スライド・提供コンテンツ一覧)
以下よりダウンロードいただけます。
(リンク削除)===========< 本件に関するお問い合わせ先 > ===========
(問い合わせ先削除)
とりあえず、関西の方なんですね...。*1
まあ内容はどうでもいいんだけど、記事タイトル案までつけてくる感じが既にひっかかるのと、「やるかやらないか」一切意思表示をしていないのに素材一式のリンクまで送って来る感じがもうヤバそうな匂いしかしないだろ?あと報酬についての言及が一切ない。まあたぶん...報酬ないんだろうな...と思って一応聞いて見たら、とんでもない回答がきた。これはツイッターでも公開して少し反響があったんだけど、あまりにもひどいので開いた口が塞がらなかった。
「どうしても記事執筆にあたり報酬が必要でしたら」というパワーワードを目にして、頭が痛くて仕方がない。 pic.twitter.com/sko8WVVSpN
— にゅーとん@はてなブログ (@Knewtons) 2017年4月30日
記事報酬について質問を投げたら、この回答だ。すごいよね。どうしてこれで僕が記事を書くと思うんだろう。ちょっとふざけている。メリットが何もない。
記事報酬はライティングの内容にあわせて、きちんと払われるべきだ。現金が一番良いだろう。そしてもし現金でということが難しい場合は、代替案を示すべきだと思わないか?いくらでも考えられるだろ。数秒でも案なんて出せるぞ。
・広報WEBサイト上に協賛として情報を載せてもらえる
・配信サービスを一時的に無料で受けられる(さらにその感想をブログに書いて欲しいとかさ)
・芸人のポスターがもらえる(いらんけど)
そういうメリットを提供するのは難しいだろうとか、そういう議論をしたいんじゃないんだよ。あらかじめ現金報酬を渡すことが困難な状況であれば、代替案を示してなんとかやって欲しい旨を伝えられて初めて気持ちが伝わり、人を動かすことができるんだと僕は思うんだよ。
社会に出ると仕事を取るために初対面の人や関係が構築できていない相手に対してお願いごとをする機会ってあるんだけど、こんなやり方してたら一発アウトだからな。例えば新規顧客から仕事を取ろうと思ったら、企画したり提案をする必要が出て来る。そこで自分が持ってない情報もあるから相手からいろいろ聞き出さないといけない時に、ひたすら「情報ください」「企画するのにいるんで」「提案書を5/7までに作るので、5/5までに以下のリストをください。以上。」みたいな話で相手が動くわけないだろ?
・企画が通ることによって(あなたが)どの程度利益が出るのか説明する
・(コストカットの提案とか)実現可能な提案ができるか精査するために、どうしてもこの情報が必要なんです。協力してもらえませんか?と真摯に訴える
とかさ、相手のメリットをきちんと説明しながら人を動かすってのは常識なんだよ。一方的にお願いしたって聞いてくれるわけないだろ。それはお前のお母さんだけだ。
こんな依頼って、尽きないんだよ。この間もきた。
現在ミーティングに関する新規プロダクトの検証をしており、「企業におけるミーティングの現状」の詳細を調査しております。
newton様の会議の生産性に関するブログ記事( http://www.meg2.net/entry/2016/05/11/190000 )を拝見し、会議の生産性についてのご関心を持っていらっしゃるようでしたので、ぜひお話を伺えればと思いご連絡差し上げました。突然のお願いで誠に恐縮ですが、今週末か来週、ご都合の良い日時に電話インタビューをお願いすることは可能でしょうか。
knewton様の会議に関するご経験について伺い、いくつか質問させていただくことで、私にとってきわめて参考になる情報が得られます。
インタビューは20分以内で終わります。事前の準備などは一切不要です。ご検討頂けますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
電話でのインタビュー依頼なんだけど、これも一切報酬について触れられていないんだよ。20分以内に終わるかどうかは僕にとってはどうでもいい。それについて、何か報酬があるのかという1点だよ。で、報酬について質問したらやっぱりこういう回答が返って来る。
ご連絡ありがとうございます。
誠に恐縮ですが、すぐに○○様にメリットをご提供させていただくことは難しいです。
もし○○様がミーティングに関する課題を何かしらお持ちでしたら、
長期的に我々のプロダクトがその課題を解決することで貢献ができるかもしれません。また何かの機会がございました際には、どうぞよろしくお願いいたします。
すぐに諦めてしまったようだ。なんというか、提示されるメリットがぼんやりしている上に、いつ、どんなカタチで僕が得をするのか全くわからない。どういうつもりで人にお願いをしているのかわからないけれど、人を動かすのには必ずエネルギーが必要で、どこかのタイミングでそれに気づかないと永遠に相手を怒らせる交渉を続ける羽目になる。今回は自分の身に降りかかったことだが、これを自分自身が他人にやってしまわないように気をつけたい。
おわり。
*1:M-1グランプリ2016 相席スタートより。