めぐりめぐる。

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腹に落ちるまでの過程が難しい、という話

インターネットによって簡単に膨大な情報にアクセスできるようになった僕達は、大抵のことはGoogle先生に聞けばわかるというアドバンテージを得た。でもその一方で、失ったものも多いと思う。

 

例えばあなたが営業職で働いていて、何か失敗して大きな壁にぶつかったとしましょう。自分の体験について真剣に振り返り、学びが得られれば素晴らしいです。でも最近の若者はどういう行動を取ると言われているかというと、Google先生にキーワードを打ち込むのです。「良い営業とは」と打ち込むと、良い営業マンとは何かについてたくさんの情報が目の前に飛び込んでくる。自分の頭の中で考えなくても、まるで営業の真理がそこにあるかのように情報が集まってくる。

 

「良い営業マンとは、客の立場になって物事が考えられる人です」と書いてある記事を読む。そうすると、「ああなるほど、自分の失敗は客の立場になっていなかったからだな」と思う。そして終了。何も得るものがない。あるいは「客の立場に立って考えるとは?」というキーワードで新たにインターネットの海に飛び込むかもしれない。繰り返しだ。営業の何たるかはいつまで経っても見つからない。

 

ああなるほど、メールや電話などの手段を使って細かく連絡をすればいいんだな、と情報にたどり着く。でも、なぜ細かく連絡をすれば良いのかについては考えないかもしれない。連絡を絶えずすればいいというわけではない。その意図を汲み取らなくてはいけない。開封されるかどうかわからないけれど少ないコストでコミュニケーションが取れるメール、すぐに相手に判断して欲しい時に便利な電話、顔を合わせて会話することで新たな商機を獲得するための訪問、それぞれのメリットについて考え抜かないといけない。その「考え抜く」という行為を、インターネットが阻害する。「答え」があるように思えてしまうから。

 

調べれば大抵のことはわかる、と宣う人達が最近増えているが、肝心なことは自分で考えて、体験しないと身につかない。泳ぎ方についていくら学んでいても、泳ぐという体験をせずに海に放り込まれたら大抵の人は沈むだろう。

 

インターネットがあり、情報に溢れている世界の中で育った僕たちは、「根拠なき万能感を持つ若者」としてグルーピングされ、笑いものにされている。残念なのは、これがおそらく事実だということだ。

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調べたら大抵のことがわかるなんて、嘘だ。世の中の人がインターネットに懇切丁寧に一々物事の真実を書くわけがない。全てが断片的で、かき集められたものの集合が見えているだけだ。そこに気づかないといけない。

 

情報に触れたら、自分の頭で考えて、答えを出して、体験して考えを修正して、「腹に落ちる」ところまでいけるように頑張ろう。そう思うんだよ、最近。真実はインターネットにない。