めぐりめぐる。

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突然視力を失って死ぬかと思った、という話

僕は温泉に行くのが好きで、今日も友人に車を運転してもらって出かけていた。でもそこで、25年間生きていて初めてのことだけど、2分ほど目の前が真っ暗になり、何も見えなくなった。その強烈な体験を今日は綴ろうと思う。

 

ことの発端は大浴場での湯の浸かり過ぎから始まったと思う。炭酸泉の38.5度の熱すぎず、ぬるすぎないギリギリに調整された風呂がとても好きで、浴場に整備されているテレビを眺めながら30分以上湯に浸かっていた。その後露天風呂をうろうろし、39度の風呂と41度の熱めの風呂に交互に入り、身体中から汗が止まらなくなったのが気持ちよくて仕方がなかった。お風呂に入って50分ほど経ってから、今度は僕が一番好きなサウナに入った。100度近い温度の中で、身体中の毛穴という毛穴から汗が出てくる瞬間が僕はたまらなく好きで、温泉に行ったら絶対にサウナに行くと決めている。今日も8分ほどじっくりと汗を流していた。と、その時だった。

 

急に軽い目眩と頭痛と吐き気がした。珍しいなあ、こんなこと滅多にないのに。そんなことを考えながら、重い腰を上げて立ち上がり、サウナの扉を開けて外に出た瞬間、目の前が真っ暗になった。右端と左端から一気に光が失われた(それはもう有無を言わさないスピードだった)。最初僕はちょっとした目の疲れかなと思い、じっとしていたんだけど、状況は全然変わらなかった。とりあえず目をこすってみたのだけど、目の前は真っ暗。眼鏡が曇ったかなと思い、慌てて外してみたけど、何も見えない。顔を上下左右に動かしてみたり、目をぱちぱち動かしてみたけど、それでも何も変わらなかった。見えない、見えない、見えない!だんだんと恐怖心が僕の身体を支配していった。

 

1分くらいそうしていただろうか、心臓がバクバクしてきて、立っているのがしんどくなってきた。というか、僕は自分がとても間抜けな姿で立っているんじゃないかと思って心配になってきた(自分の姿が見えないと、どう立っているのか認識できないのです)。座ろうかな。でもサウナの前でしゃがむと変だよな。いやそもそも俺は助けを呼ぶべきじゃないのか?「目が見えません!助けてください!」って。そんなことをずっと考えていた。状況が好転しないので、とりあえず手をのばすと、ゴツゴツした何かに触れることができた。触っていると、どうやら風呂の壁のタイルであることがわかってきた。顔をくっつけてみると、冷たくて気持ちよかった。壁にもたれ掛かり、これからどうするか考えようと思った。でも考えているうちに疲れてきて、立っていられなくなり、結局その場に座り込んでしまった。

 

ああ、もう俺の目には光は戻らないのかな。いや自分のことよりも、まずは一緒に来た友達に迷惑をかけてしまうな。悲しいな。そんなことを考えて俯いていたら、薄っすらと自分の膝が見えた。ぼやけているけど、見えた。見えてきた!少し時間を置いて辺りを見渡すと、少しだけ人影が認識できるようになってきた。もう少しだ。頑張れ。そう思っていると、だんだんと視力が戻ってきた。その内立つくらいの気力が湧いてきたので、水をたくさん飲み、椅子に座って5分ほどじっとしていた。そうすると完全に視力が戻ってきて、身体に力が入るようになってきた。ああ、良かった...。落ち着いてから友人の所に行き、事の顛末を興奮しながら話した。水分不足による貧血が原因じゃないかと友人は話してくれた。でも生きていてよかったねって。本当に生きていて良かった。

 

インターネットで僕と同じような症状になった人を見かけたが、その人は失神したそうだ。この人には失礼な話だと思うが、僕も失神したほうが良かったと感じた。目の前が真っ暗になった時の孤独は凄まじくて、身の毛もよだつ体験だった。現場からは以上です。(まだ興奮している)