ひとりでいるということ
もう何ヶ月も望んでいない一人暮らしをしている。ひどく寂しい。
人間は適応性が高いので、それでも少しずつ、少しずつ、前向きになり、慣れて行く。でもそんな中で、その日常を軽く吹き飛ばす出来事が起こり、また不安定になっていく。
今日は階段下の棚を綺麗に整理していたら、子供がもう大きくなってしまって着れない服とか、帽子が出てきて、一気に自分の現状に自覚的になり、膨らんでいく孤独感を抑えきれなくなり、頭を抱えていた。
ひとりでいるということは、ひどく自由だ。何をしていても、何も言われない。でも、誰かが何かをしてくれることも一切ない。代わり映えのしない自分の部屋を見て、笑って見たり、孤独を感じてみたりする。繰り返しだ。
独り言は倍ぐらいに増えた気がする。大抵はため息だったり、謝罪だったり、怒りの言葉だったりする。頭から溢れた言葉が口から出て行くだけなんだけど、ね。
僕の家はなぜか密閉性が非常に高くて、悪く言えば通気性が悪いんだけど、いまだに暖房がいらないくらい暖かく、窓の近くで日差しが気持ちよくて寝てしまう。で、誰も起こしてくれない。気づいたら寒くて、部屋が少し暗くなっていて、夜が迫っている。大いなる孤独が、少しずつ近づいてくる。それを避けるように、僕は料理をしたりお風呂を洗ったりしてやり過ごす。
気づいたら、おじいちゃんになっているのかな。